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イメージ呼吸について

 こんにちは、心理士の藤井です。ストレスを感じた時に行うリラクセーションには様々なものがありますが、もっとも有名なものの1つは呼吸法だと思います。呼吸法は場所を選ばず、生きていれば誰でも自然と行っているものなので、簡単に取り入れられます。李(2022)が海外の中小企業で行った研究では、2 週間にわたって業務の傍ら呼吸法を行ったところ、呼吸法の実践後において心身状態の不調が有意に改善されていることが確認されました。また、大学生に行った呼吸法に関する研究から、「心が落ち着く」「リラックスできる」「すっきりとした爽快感が得られる」といった感想が見られました。一方で、無意識に行っている普段の呼吸とは異なる速さと間隔で行う呼吸パターンに慣れるまでは、苦しさを伴う方もいます。そのため、止息なしの呼吸パターンや、「吸気(2秒)-止息(2秒)-呼気(4秒)」と短いものから少しずつカウント数を延ばしていくような段階的な呼吸パターンなどを複数提示することも必要だと述べられています(岩橋,2023)。つまり、ネットで“呼吸法”と調べれば様々なやり方が見つかりますが、個人個人にあった呼吸法を行うことが大切だと考えられます。今回はイメージ呼吸を紹介したいと思います。

 イメージ呼吸という名前からわかるように、呼吸法を行う際にイメージをしていきます。何をイメージするのかというと、大きく分けて3つです。1つ目は1番好きなイメージや場所、2つ目は大切なものや自分を守ってくれるもの、そして3つ目は怖いものや嫌なものです。これらは実際に存在するものでも、自分の中にだけあるイメージや感覚でも構いません。想像が難しいという方は、ネットで画像を検索してみても良いかもしれません。

 次に具体的な方法についてです。まずは、深呼吸の方法ですが、口からながーく、ゆーっくりと息を吐いていきます。その際、手をおへその辺りにあてると、お腹がへこんでいくことが意識しやすくなります。息を吐ききったところで、一度息を止めますフッと力を抜くと、意識せずとも自然と鼻から空気が入ってきます。この呼吸を繰り返しながら、そこに先ほどのイメージを組み合わせていきます。なお、しっかりとイメージをするために、「吐く」「止める」「吸う」は各5秒ずつくらいで行うことがお勧めです。

  1. 最初に口から息をながーく、ゆーっくり吐いていきます
  2. 鼻から空気と共に、「1番好きなイメージや場所」が体の中に入っていきます
  3. 息を止めて、おへその下あたりに「大切なものやあなたを守ってくれるもの」を置きます
  4. 口から息を吐きながら、「怖いものや嫌なもの」が体からでていきます

以上の2~4を3回以上繰り返しましょう。

 やってみていかがでしょうか?喉元や肩の感覚、心の重さや、頭の中など、変化はありましたか?深呼吸だけでも身体に影響を与えるものですが、イメージを組み合わせることで、自分の中の悪いものが外へと出ていき、その代わりに良いものが体の中を満たしてくれるかもしれません。

 最初は慣れるまで難しく感じる方もいるかもしれません。特に深呼吸そのものになれていないと冒頭にも述べたように、苦しく感じる方もいるかもしれません。まずは深呼吸に慣れてから、イメージを組み合わせる、あるいは一部だけ取り入れてみるという方法も良いかもしれません。ぜひ毎日1回1分だけ、1週間続けてみてください。ご自身にあった呼吸法を見つけて、日頃から実践してみてください。

岩橋 知子(2023).大学生を対象としたストレスマネジメント教育の実践─呼吸法─ 福岡教育大学紀要,72

  33-39.

李 一卉(2022).中国の中小企業における職業ストレスとその対策に関する研究─呼吸法の有効性に関する検証

  ─,立教大学大学院博士論文.