院長ご挨拶
日々、多くの患者様や職員の皆様に支えられ、貴重な経験を積ませていただいております。
厳しい環境のなか、社会全体にかつてない重圧がかかり、うつ病をはじめとする様々な精神疾患を抱える方が増えております。職場・家庭・学校といった日常生活の場で、強いストレスを感じながらも懸命に生きておられる方々の力になりたいと考えております。
当院の診療スタイルについてご説明いたします。
エビデンスに基づく標準治療を基本としつつ、認知行動療法、思考場療法、ボディコネクト・セラピーといった各種心理療法やカウンセリング、さらには生活習慣の改善にも力を入れております。また、必要に応じて漢方薬の併用も行い、腸脳相関の観点から食事療法の重要性も重視しております。生成AIの活用も積極的に推進する立場です。
当院は医療機関であり、薬物療法も適切に活用することを大切にしております。「薬は毒だから一切使わない」「心理療法のみで治す」といった一方的な考えには偏らず、バランスの取れた診療を心がけております。薬剤について、必要と判断される場合には使用し、必要がないと判断される場合には使用しないという、シンプルかつ柔軟なスタンスを大切にしております。
また、治療は医師と患者様が二人三脚で取り組む共同作業であると考えております。そのため、疾患や治療についてご理解を深めていただくことを重視し、当院ホームページでは様々な精神疾患について詳しい情報を掲載しております。皆様ご自身にも学びの機会を持っていただき、より良い治療につなげていければと願っております。
最後に、病気や困難に対する心構えについて、病気や障害を単なる不幸な出来事と捉えるのではなく、人生に役立つ学びや気づきをもたらすものと考えてみる視点も大切かと存じます。たとえば、うつ病に罹患された場合、それは無理な生き方や偏った考え方を見直すきっかけかもしれません。このように病いを受け入れることで自然治癒力が十分に発揮され、回復への道は開かれやすくなります。
また、苦悩や困難も、こころの成長の機会ととらえることで、過度な焦りを手放し、少しでも楽な気持ちで日々を過ごしていただけるようになるかもしれません。他者との比較にとらわれることなく、自分自身の人生においての必然と受け止めながら、皆様がよりよく生きるための支えとなれることを切に願っております。

こころとからだ横浜クリニック 院長
安藤 泰善
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略歴
昭和52年横浜市中区にて誕生
平成8年栄光学園高校卒業
平成14年信州大学医学部卒業
平成14年~18年麻酔科勤務(東京大学附属病院、NTT東日本関東病院)
平成18年~26年内科勤務(関東労災病院、新潟労災病院、湘南クリニック)
平成26年~令和2年精神科勤務(みくるべ病院、県立こども医療センター、福井記念病院)
令和2年~こころとからだ横浜クリニック 院長
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資格
精神保健指定医
日本精神神経学会 精神科指導医
日本精神神経学会 精神科専門医
日本内科学会 内科認定医
臨床研修指導医
日本医師会認定産業医
厚生労働省 麻酔科標榜医
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所属学会
日本精神神経学会
日本家族療法学会
日本内科学会
日本臨床精神薬理学会
プロフィール
私は昭和52年生まれ、横浜市で育ちました。幼少期は関内・石川町周辺でよく遊んでいましたが、当時の記憶は断片的で、あまりはっきりとは思い出せないのが正直なところです。 中学・高校時代は、数学や物理といった自然科学を特に好み、知性で物事を考える傾向が強かったように思います。しかし最近は、歴史や経済といった人間社会の流れにも興味を持つようになりました。診療においては、直感や感性を大切にするようにしております。年齢を重ねた影響で、若い頃に比べると頭の回転がやや緩やかになったことも一因かもしれません(笑)。
医師となってから、実は一時期、肝臓を患い数年間休職を余儀なくされた経験もあります。今では逆に、患者様の休職診断書を書く立場になり、人生の縁や巡り合わせを深く感じることが多くなりました。当時はもちろん大きなショックでしたが、現在こうして健康を取り戻し、診療に従事できていることに感謝し、今となっては貴重な経験だったと前向きに受け止めています。
もともと集団で過ごすことがあまり得意ではなく、子どもの頃から一人で静かに過ごすことが多いタイプでした。現代風に言えば「陰キャ」といったところでしょう(笑)。今でも日常の診療業務以外の時間は、1人で読書、サウナ、Yotube鑑賞、散歩、掃除など、心身を整えるための活動に充てることが多いです。
また、患者様に食事指導をする立場でもあるため、日々、自身の食生活にも気を配っています。口にするものやその量を意識し、腸内環境を整える「腸活」にも毎日取り組んでおります。喫煙や飲酒は一切しませんが、よりよく眠るために睡眠薬を適切に利用しております。
日々、多くの患者様と向き合うなかで痛感するのは、生きている限り、生・老・病・死にまつわる苦悩や、不条理な出来事は避けて通れないということです。時には、泣きっ面に蜂のように、次々と困難が降りかかる方々もいらっしゃいます。そうした深い苦しみの中におられる方々に、医療という側面から少しでも寄り添い、支えとなれることを願いながら日々診療にあたっています。
なお、当院は医療機関であり、基本的には医療的なケアやアドバイスを中心に行っております。福祉や生活支援の分野については、やや対応が難しい部分もございます。また、治療上必要と判断した場合には、ただ寄り添うのではなく、あえて厳しいことを申し上げる場面もあるかもしれません。それもすべて、患者様が少しでも良い方向に進まれることを願ってのものであることをご理解いただければ幸いです。