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メタ認知とは? ~自分を客観的に見つめる力~

今回は心理士 沓名の記事となります。

日々の生活の中で、同じような悩みで立ち止まったり、自分の考えに縛られて苦しくなったりすることはありませんか?そんな時、自分を助けてくれるのが「メタ認知」という力です。

メタ認知とは、簡単に言うと「自分の感情・思考・行動等を、客観的に観察する力」のことです。ここでは、カメラにたとえてメタ認知をご紹介します。

あなたの「カメラ」は、今どこを映していますか?

私たちは無意識のうちに、特定のカメラに視点が固定され、それが「唯一の現実」だと思い込んでしまうことがあります。

  • 【1人称視点(第1カメラ)】 自分の感情や「つらい」「苦しい」という感覚にズームアップしている状態です。自分の気持ちに素直になれる反面、視野が狭くなり、感情に飲み込まれやすくなります。また、「私はダメだ」「絶対にこうあるべきだ」という独自の強いこだわりや思考のループに陥ると、そこから抜け出すのが難しくなることもあります。
  • 【2人称視点(第2カメラ)】 「あの人はどう思っているだろう?」と、相手の反応や期待にフォーカスしている状態です。周囲に配慮できる一方で、相手の顔色を伺いすぎて、自分を後回しにしてしまいがちです。
  • 【3人称カメラ(第3カメラ)】 空を飛ぶ鳥のように、自分と相手、そしてそれを取り巻く状況を遠くから引きで映している状態です。「今、自分は焦っているな」「相手も余裕がないみたいだ」と、冷静に状況を把握できます。精度が上がると、「今、自分は『完璧でなきゃいけない』という考えに縛られているな」「相手は相手の○○という価値観で動いているだけだな」と、自分や相手のこだわりさえも一つのデータとして観察できます。

あなたは、どのカメラにフォーカスしやすいですか?

人にはそれぞれ「視点のクセ」があります。 いつも「第1カメラ」で感情が爆発しそうになるタイプの方もいれば、「第2カメラ」ばかりを気にして自分を見失ってしまう方もいます。大切なのは、どのカメラが良い・悪いではなく、それぞれのカメラの存在を認識することです。その上で「今は第1カメラしか動いてないから、第3カメラのスイッチをONみよう!」と、自分でカメラを切り替える主導権を取り戻し、それぞれのカメラの精度をあげていけると良いですね。