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グルグル思考(反すう)とのつき合い方

以下心理師沓名の記事です。診療の参考にして下さい。

仕事での失敗、人間関係のすれ違い、将来への不安……。 

気づくと、頭の中でこんな言葉を繰り返してはいませんか?

  • 「どうしてあんなことを言ってしまったんだろう」 
  • 「なぜ自分はいつもこうなんだろう」 

このように、答えが出ないままネガティブな考えをグルグルと繰り返してしまう状態を、心理学では「反すう思考(Rumination)」と呼びます。 

反すう思考は、うつや不安とも深く関係していますが、決して「あなたの意志が弱いから」起こるものではありません。ストレスを受けた脳が起こす、ごく自然な反応の一つです。 

■「考えること」と「反すう」の違い

問題が起きたとき、頭を整理して「考えること」自体はとても大切なプロセスです。 

建設的に考える反すう
「次は早めに準備しよう」「信頼できる人に相談してみよう」次の準備を考える「なぜ失敗したんだろう」「どうして自分ばかり…」なぜ失敗したかを繰り返す
➡行動につながる➡行動できず落ち込む

頭の中がグルグルしてきたら、「この考えは、次の一歩(具体的な行動)につながっているだろうか?」と自分に問いかけてみてください。 次の行動につながらなければ、反すう思考の可能性が高いです。

■ なぜグルグル思考は止まらないの?(脳のメカニズム)

反すう思考が止まらないのは、以下のように、ストレスを感じた脳の中でいくつかの部位がバトンを渡し合い、悪循環を作っているからです。

1.扁桃体(へんとうたい):危険を知らせる「アラーム」

ストレスを感じると、「大変だ!」と不安のシグナルを出し続けます。

  1. DMN(デフォルト・モード・ネットワーク):脳の「アイドリング」

ぼんやりしているときに働き、過去の後悔や未来の不安を再生します。 

  1. 前頭前野(ぜんとうぜんや):冷静に整理する「司令塔」

 反すうが長引くとエネルギー切れを起こし、思考を止めるブレーキが効きにくくなります。 

この仕組みがあるため、自分の「意志の力」だけで無理やり止めようとしても、なかなかうまくいかないのです。 

■ 脳の仕組みから考える「4つの切り替えスイッチ」

大切なのは、反すうを無理に止めることではなく、「脳の回路(モード)を切り替えること」です。

すぐに試せる4つの方法をご紹介します。 

① 「事実」と「解釈」を分ける(前頭前野の再起動スイッチ):具体モード

反すう中は「なぜ?」という抽象的な問いに囚われがちです。事実と解釈を分けて事実に注目することで、「次の対策を考えよう」と冷静なモードに入りやすくなります。 頭の中を整理して、司令塔(前頭前野)を再び働かせましょう。 

② 楽しいことに夢中になる(DMNから没頭へ):没頭モード

反すうしている時はDMNが働き、脳がアイドリング状態で、過去や未来に意識が向きやすくなっています。好きなことや興味のある活動に夢中になると、「今、この瞬間」に意識が向き、反すうから離れやすくなります。夢中だった体験を思い出すことや、自分を楽しませてくれる活動を意識して取り入れることも効果的です。

③ 自分に優しい言葉をかける(扁桃体の鎮静スイッチ):コンパッションモード

自分を責める声は、脳のアラーム(扁桃体)をさらに興奮させます。 

「もし、大切な友達が自分と同じことで悩んでいたら、どんな言葉をかけるだろう?」と考え、その温かい言葉を自分自身にもかけてあげてください(セルフ・コンパッション)。自分を労うことで、脳の緊張が和らぐことが分かっています。 

④ 人間関係のストレスには「アサーティブモード」

反すうのきっかけは、人間関係にあることも少なくありません。脳のモードを切り替えることに加えて、人との関わり方を少し変えることも、反すうを減らす助けになります。

相手に合わせすぎたり、気持ちを飲み込んだりすると、「ああ言えばよかった」と反すうが続きやすくなります。そんな時は、自分も相手も大切にしながら、「もし伝えるとしたら、どう伝えよう?」と考えてみましょう。

■ おわりに

反すう思考は、ストレスを受けたときに誰にでも起こりうる脳の反応です。大切なのは、反すうをゼロにすることではありません。「あ、今グルグル考えているな」と気づき、「この考えは次の一歩につながっているかな?」と問いかけながら、今回ご紹介した4つのモードのどれか一つを試して、切り替えてみましょう。気づいて切り替える練習を繰り返すことで、少しずつ反すうとの付き合い方は変わっていきます。

当院では以上のような背景を考慮した診療を行っております。初診ご予約希望の方はまずは診療相談または予約サイトからお問い合わせください。