診療案内
不眠をなおす外来
睡眠には「なんとか寝ようと」頑張れば頑張るほど、眠れなくなるといったジレンマがあり、仕事や勉学に支障をきたして苦しんでいる方が非常に多いです。不眠症を放置すると、「睡眠負債」がたまり、脳にも体にもダメージを与えて寿命にも影響を与えるといわれております。また不眠症は抑うつや不安などの様々な精神症状を悪化させる原因そのものにもなります。
特に野毛地域は夜の街であり、夜しっかりと眠れないという方が非常に多いと思われます。
飲み屋街でありアルコールに接する機会が多いです。アルコールを眠剤代わりに使用している方は非常に多いのですが、大きく間違っています!!絶対に眠れないからといって飲酒することはやめてください。
当院では、不眠症の原因を特定するとともに、必要な薬物療法や生活のアドバイスをしていく方針です。
どんな病気?
眠ろうと思ってもなかなか寝付けない、夜中や早朝に目がさめてしまう、熟睡できないなど、睡眠に関わるトラブルにより日常生活に支障をきたしている状態のことをいいます。
また、今日も眠れないのではないかという不安によりますます悪循環に陥ったりします。
原因
- 不規則な睡眠時間や適切でない睡眠環境
- 昼間の活動量不足が原因で起きる場合
- 心理的なストレス(親しい人の死や悩み)で一時的に起こる不眠をきっかけに「また眠れないのではないか」と悪循環に陥る場合
うつ病や不安障害、統合失調症など、不眠の症状が起きやすい心の病気にかかっている場合 - カフェインやアルコールなど嗜好品に含まれる成分や、服用している薬の成分によって不眠が起きる場合
- 睡眠時無呼吸症候群などの内科的な病気により、熟眠感が得られない場合
など、様々な要因があります。
特徴
不眠症には4つのタイプがあり、そのうち複数が重複して現れる場合が多くみられます。
1. 入眠障害
ベッドに入ってもなかなか寝付けず、30分以上かけないと眠れません。
そして、その状態を苦痛に感じている場合は入眠障害の疑いがあります。
2. 中途覚醒
誰もが朝まで一度も起きずに眠り続けられるわけではありませんが、一晩に何度も目が覚めたり、一度目が覚めると朝まで眠れない状態が数日から数週間続くようなら中途覚醒の可能性があります。
3. 早朝覚醒
起きたい時刻よりも早く目が覚めてしまう症状です。
お年寄りが早起きなのは、年をとると体内時計のリズムが前にずれやすく、早朝覚醒をおこしてしまうためです。加齢によるものであれば特に治療の必要もなく、不眠症には分類しませんが、うつ病を煩っている人は早朝覚醒も併発していることが多く、ひとつの診断基準になります。
4. 熟眠障害
睡眠時間は十分とっているのに、ぐっすり眠った感じがしない、眠りが浅い状態です。
睡眠時無呼吸症候群・周期性四肢運動障害(寝ている間に足がびくっびくっと繰り返し動く)などの病気が関係していることもあります。眠っている間に起きるため、本人は気がつきにくいので注意が必要です。
特殊な睡眠障害について
睡眠は体内時計に依存して発現する生体現象でありますが、概日リズム睡眠覚醒障害群などの体内時計の調節困難による睡眠障害があります。
またレム睡眠行動障害(RBD)、むずむず脚症候群(RLS)、睡眠随伴症(睡眠時遊行症、睡眠時驚愕症)など睡眠相のレム期におこる特殊な睡眠障害に関しても適切な薬物治療、睡眠指導を行います。
治療
・生活習慣の改善(睡眠衛生指導)
- 1睡眠時間は人それぞれであり、日中の眠気で困らなければ十分
- 2刺激物を避け、寝る前には自分なりのリラックス法を工夫
- 3眠たくなってから床につく、就寝時間にこだわりすぎない。
- 4同じ時刻に毎日起床
- 5光の利用でより睡眠を
- 6規則正しい3度の食事、規則的な運動週間
- 7昼寝をするなら、15時前の20〜30分
- 8眠りが浅いときはむしろ積極的に遅寝、早起き
- 9睡眠時の激しいいびき、呼吸停止、脚のぴくつき、ムズムズ感は注意
- 10十分眠っても日中の眠気が強い場合は専門に相談
- 11睡眠薬代わりの寝酒は不眠の元
・薬物療法
睡眠薬や睡眠導入剤を服用します。
近年の薬は自然な眠気を起こさせ、副作用の少ない安全性の高い薬がたくさんあります。医師の指導を守り、自分にあった効果のある薬を服用することで、正しく豊かな睡眠を取り戻しましょう。