診療案内

統合失調症外来

統合失調症で最も大切なのは、「まず病気の性質を知ること」であると思われます。その理解の深さで病気の予後が大きく変わります。

統合失調症は従来有効は治療法があまりなく、主として精神病院でフォローする病気でしたが、最近は注射剤を含めて有効が薬剤が増加しており、一般のクリニックでも十分フォロー可能な疾患となりつつあります。

統合失調症診療で当院で特に重視するのは、心理教育です。心理教育とは病気の性質を理解するのはもちろんですが、日常生活での注意点、再発ポイントの共有などすべて含みます。「再発をいかに減らすか、長期の予後をいかによくするか」をモットーにしております。

どんな病気?

「統合失調症」は、多くの場合、思考能力の低下や、実際には見えないものが見えるように感じる(幻覚症状)、聞こえていないことが聞こえる(幻聴症状)などの精神症状があらわれます。そのため、人とのコミュニケーションが上手くとれなかったり、周りの目が過度に気になったりしてしまい、心が不安定な状態になってしまうことで、他の精神疾患を併発してしまうこともあります。

原因

統合失調症が発症する原因としては遺伝や、脳の変化、環境因子などいくつかの要因が考えられています。

統合失調症が発症する原因

統合失調症の発症については、1つの原因に起因するものではなく、いくつかの危険因子が重なって発症するというストレス・脆弱性モデルが考えられています。病気になりやすい“もろさ”(脆弱性)があるところに、周囲のストレスフルな環境や重大なライフイベントなどのさまざまなストレスがかかることが発症の引き金となるという考え方です。

症状・経過

統合失調症の症状の現れ方や経過は人によってさまざまですが、一般的には、前兆期、急性期、休息期、回復期のという4つの段階で経過し、それぞれに症状は異なります。ただし、これらは一方方向ではなく、休息期や回復期に病気を誘発するようなストレスがかかると、再び急性期の症状へと戻り(=再発)、また休息期、回復期という経過をたどります。再発が繰り返されると、休息・回復に要する期間が長くなるといわれています。

かつて統合失調症は、途中で進行が止まっても、いずれは人柄が変わる、予後が非常に悪い病気と考えられていました。しかしこの病気は早期に薬による治療を開始し適切に継続すれば再発を抑えることができます。現在では、治療効果の高いさまざまな薬剤が開発され、また早期発見や早期治療に至るケースも増えたことから、他の人と変わらない日常生活を送る人が多くいます。

統合失調症の脳の動きと年齢の関係

治療

統合失調症の治療は薬物療法が基本です。色々な症状は脳の神経伝達物質の機能異常によって現れることは明らかにされていることから、薬物療法は主に、その機能異常を調節して症状を抑えるために用いられます。ただし、薬物療法だけでなく患者さん本人および家族への心理社会的療法を併せて行うことが良好な予後に欠かせないこともわかっています。
特に当院では「心理教育による統合失調症の予防」に力をいれております。