お知らせ

うつとうつ病 その(3)

2020年5月6日

今回はうつやうつ病になる原因についてまとめます。

Ⅴ.脳が疲れる原因は?つまりうつになる原因は?

もちろん長い時間脳をつかうことが原因になるのは分かりやすいのですが、そう単純ではないのも事実です。

その使い方つまり質にも注意が必要です。勉強のできる子や研究者では何十時間も脳を酷使してもうつにならない場合も多いです。また好きな絵を何時間も描いている画家や芸術家の場合もそうかもしれないですね。ポイントは各個人の脳の向き、不向きつまりどのような分野に特性があるかが重要だと思います。パソコンいじるのが好きな子は何時間でもできるのですが、身体を動かすのが好きな子が同じことをやるとうつになってしまうのです。例えば自分も精神科医や内科医は向いていると思います。いくら仕事してもあまり脳は疲れにくいです。それが例えば外科手術を朝から晩までやるなどあれば一瞬にしてうつになると思います。要は脳には向き不向きがあるのです。向かないことをやると脳に負担がかかるのですね。脳はパソコンと同じでそのパソコンに合わない使い方や長時間使うことで故障するのがうつの発症といったイメージでいいと思います。

また善悪の概念のうちで「自分が悪い」と思うことや否定的なことを考え続けるのもの脳には負担になります。悪いという言葉にはよく脳は反応しますね。なぜでしょうか?よくわかりませんが、実際そうなのです。よって怒られるということも脳にはよくないですね。

分からないことも脳には負担です。明日の試験が受かるかどうかわからない、仕事が首になるかどうかわからない、将来自分はどうなるかわからないといった状態が一番脳に負担で、試験の結果や人事の結果が逆にでると脳の負担は減ることになります。発達障害の人で対人コミュニケーションが苦手な人が人と沢山接して仕事をしているとうつになります。人の気持ちや空気がわからないのに分かろうと頑張るので脳に負担になるのですね。またよくわからない将来のことをくよくよ考える癖がある方も脳に負担をかけます。

不安、緊張なども脳の負担になります。よって女性に多いパニック発作、広場恐怖症、対人恐怖症などの病気ではうつは非常に合併しやすいです。よって経済的な問題が大きいことも将来不安が大きくなりうつになりやすいです。

不眠はうつの症状ですが、逆に不眠自体が脳を疲れさせます。

身体の病気のうち、甲状腺疾患や糖尿病なども脳に悪影響を与えるためうつになることが知られています。血糖の変動は血管へのダメージを通して脳にダメージを与えます。月経周期の影響、インフルエンザの影響・・様々なものが脳に影響を与えるのです。またこれは分かりやすいと思いますが、脳梗塞などで脳に直接ダメージが加わると、治癒後にうつになることがあります。これは脳の疲れをもたらしているというよりかは、脳へのダメージの結果、ストレスに対する脳の耐久力(我々はレジリエンスともいいますが)が落ちてしまい疲れやすい体質をもたらしているとも解釈できます。

また食生活や運動習慣なども脳の耐久力維持には欠かせないものなので注意が必要です。高齢になり脳が老化しても脳は疲れやすいですね。認知症の方はうつは容易に合併します。

性格的には必要以上に頑張る人や完璧主義な人は脳が疲れやすいのは自明ですね。また~すべき、こうあるべきと「べき思考」が強い方も脳は疲れやすいです。

最後に元々うつになりやすい脳の方もいらっしゃいます。足に例えると骨折しやすい骨をもった方に相当すると思います。古典的に内因性うつ病といわれる病態のことで、特に大きなきっかけがなくても周期的にうつ病にまで陥る性質があるうつのことです。脳自体の遺伝的なものが原因の場合が多いですが、うつ病を繰り返す中でそのような脳になってしまう方もいるようです。

以上脳が疲れる原因をまとめると・・・

脳が疲れる原因

・脳への負荷が大きいから

 長時間の使用

 向かないことをする

 自分が悪い・駄目だと考える

 分からないことを考える

 不安・緊張(経済的問題含む)

 不眠

 頑張る性格・完璧主義・べき思考

・脳自体の耐久力低下があるから

 身体の病気中または後遺症

 食生活

 運動習慣

 老化現象

・脳の疲れというかは脳自体の遺伝的な問題

 内因性うつ病