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うつとうつ病 その(2)

2020年5月4日

前回の話を踏まえて本日はうつとうつ病の本質についてさらに深めようと思います。

Ⅳ.うつまたはうつ病とは?

今までうつについて述べてまいりましたが、うつ≠うつ病なので注意!が必要です。精神疾患の診断基準が記載されたICDやDSMなどの書籍ではうつとうつ病が同じレベルとして書かれておりますが、実臨床では分けて考える方が診療がうまくいきます。また以下のように脳の疲れと足の疲れを比較すると非常にわかりやすいですので参照下さい。

脳の疲労    足の疲労    治療期間

プチうつ    筋肉痛     1~2日

うつ状態    捻挫      2週間

うつ病     骨折      3か月

プチうつはネットスラングで医学的には正確な用語ではありませんが、分かりやすくするために入れました。皆様も毎日仕事や勉強で疲れて、次の日に頭が働かないことがあると思います。だけどゆっくり休めばまた回復するといったものでそれがプチうつです。うつ状態は医学的には適応障害としてとらえられる場合が多いです。適応障害とは一時的な心的負荷・ストレスによりうつの症状がでたものです。休養と環境調整で1~2週間で回復するうつのことです。足に例えると捻挫に相当すると思います。捻挫もしばらく足を休めれば自然に治りますが、無理をして歩き続けると治りが悪くなりますね。またうつ病については、足に例えた場合骨折または重症の感染症に相当すると考えて下さい。よって骨がつながるまで数か月を要し、その後も完全回復には時間がかかることは想像しやすいと思います。

よってうつ病とはうつの中でも非常に病状がすすんだ状態のことを指しており、休養だけでは治らない場合もあり抗うつ剤などの薬物治療も必要になる場合が多いです。

うつ病とうつ状態の鑑別は難しい場合があります。精神科での診断はレントゲンや採血などの客観的なデータがないので、経験と心眼で骨が折れているかどうか診断することになるからです。私も今までの経験と何度かの面接と薬の反応などみながら、骨折かどうかつまりうつ病になっているかどうか診断します。また骨にヒビが入るだけといった境界辺りの病態もあり難しい場合も多いですね・・・。

下の図を参考にするとイメージがわきやすいです。うつ病まですすむと骨折と同じでなかなか回復しないことがイメージしやすいと思います。