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発達障害 その(6)発達障害の利点

2020年7月12日

Ⅷ. 発達障害の利点

今までは発達障害とは忌み嫌うべき治すべき特性で、2次障害も起こるし何とかしなければいけないとの印象をもったかもしれないです。ただし人類の存続に不利益であればおそらく遺伝的に残らなくなっている特性のはずです、これだけ多くの方に認められる特性であるならば生き残るのに有利な点があったと考えられます。

例えば多動・衝動に関しては、戦争の多い時代では有利であったと考えられます。誰もが恐い戦争の前線でも、あまり恐怖を感じずに敵陣に突っ込んでいくといったものです。最前線で戦った多くの兵士は結果的には亡くなったと思われますが、一部の兵士は生き残り子孫を残しているのです。戦場ではヒーローになる可能性をもった特性です。原始時代などでも動物の狩りなどで活躍していたことが考えられます。また現代でも起業などがそれに近いと思います。衝動的に「えいや」とぶっつけ本番で起業するなどがあると思います。ほとんどは失敗すると思うのですが、やはりここでも一部は生き残り社会の進歩や変化に貢献していると思います。また移住や移民に関しても然りで、思いつきで村を捨てて移住したら逆に災害を免れて生き残れたなどがありうると思います。

自閉傾向についても、災害などでの孤立した環境では力を発揮します。コロナでソーシャルディスタンスが叫ばれておりますが、元々自閉を好む特性があれば自宅待機になっても心身への影響は少ないと思われます。当院でもコロナの影響で心身を病んだ方が来院されておりますが、彼ら彼女らは元々人を交わったりコミュニケーションをとることが好きであったり外で身体を動かすことがストレス解消法であったりする方々が多いです。元々自閉傾向のある発達障害や統合失調症の方々では自粛の心身への影響は少ないと思われます。地震などの災害や戦争などで孤立した場合でも難なく生き残れる可能性が高いとも思われます。

孤独や孤立は本来心身に大きな影響を与えることが分かっております。喫煙と同程度またはそれ以上に寿命を短くするともいわれております。孤独・孤立に耐性がある発達障害者は1人になっても長生きできる可能性がある訳です。

こだわりや常同性についても、果てしない研究生活、技術開発や職人の修行などでは力を発揮します。味にこだわりをもつことで活躍する料理人や、ひらすら同じ練習を繰り返し活躍するプロ野球選手や演奏家などにも発達障害の特性がある方が多いと思われます。

安定した時代では人と人とのコミュニケーションが重視される第3次産業が主流になる傾向にあるため、コミュ力に劣った場合は不遇な立場に置かれる可能性が高いと思われます。逆に今後災害や戦乱などの不安定な時代が到来した場合は、活躍したり生き残る可能性が高いとも思われます。

発達障害の特性は時代や環境、生まれる国などによって利点にも欠点にもなりうる特性です。その症状を忌み嫌わずに付き合いながら、焦らずにいい時代を待つというのんびりとした姿勢も大事かなと思います。

以上で発達障害の話は終了になります。

分からないことなどは診察の時に質問下さい。こちらとしても患者様からのお話や情報が疾患への理解を深める一番の勉強になります。よろしくお願いいたします。